それでは、いよいよ深遠なる太極拳の世界へと向かいます。
深遠なる太極拳への世界へ向かう準備が整いました。
もうすでに、ここまで来ている人は、すでに元気と活力はみなぎり、人生に大きな変化が見え始めていますから、太極拳のない人生など考えられないはずです。
ここからは、あの世界的に有名な心理学者「ユング」が心を奪われた「黄金の華の秘密」に向かう段階です。
ユングの「黄金の華の秘密」について
太極拳の創始者「張三丰」が所属した全真教の経典「太乙金华宗旨」を有名な心理学者ユングが訳した「黄金の華の秘密」は世界中で絶賛されました。
ユングは、この「太乙金华宗旨」に渡って述べられている、中心と円による、まるで曼荼羅のような、不思議な勢いがその人間に思い出されているか否かが、全てであるという理論に、強烈に刺激を受け、後の自らの研究にこの太乙金華宗旨が重要な位置を占めていきました。 ユングは、あの哲学者のプラトンが説いている完全な球形人間を取り上げ、「黄金の華の秘密」で太乙金華宗旨に書かれている、太極拳の根本理論の実践である「道」と「回転運動とその中心点」の秘密を解き明かしています。
ユングは集合的無意識と、対象からの意識の離脱によって得られる関連性をとくとくと、「太乙金华宗旨」の中に見いだし、多方面から、「太乙金华宗旨」を絶賛しています。キリスト教や、古代の曼荼羅、西洋の古代宗教まで及び、その原点を「太乙金华宗旨」の中に見いだしました。
「太乙金华宗旨」は、太極拳の世界を普遍的に現していますが、逆に、太極拳は単に普遍的な世界に起こる、人間の活動に過ぎないと言うことです。人間の活動は、この普遍性によって司られるものであり、この普遍性は集合的無意識に垣間見るとユングは述べています。それが共時律となって現象として現れるのであって、その勢いは中心点とその回転運動となり、夢遊病のユングの患者が踊り出す、ユングが名付けた曼荼羅ダンス(ある一点を中心として、円転して動く動作)が取り上げられていますが、まさしく太極拳も、曼荼羅ダンスであるのです。